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最低賃金引き上げとDX

こんにちは。

内山公認会計士事務所の内山でございます。

今月も顧問先様をはじめとしたお客様へ向けて税理士・会計士としての立場から、専門的な知識・情報をわかりやすく解説していきたいと思います。

 

「業務効率化」という言葉は数年前から定着しましたが、PC・スマホ・AIなどテクノロジーの進化により、効率化のスピードは加速しているのが現代です。

私が会計士になったころは、帳票などはすべて紙ベースで保管し電卓で計算していたものですが、今ではPDFで保存し計算は会計ソフトがしてくれるようになりました。

 

となると、昔よりスタッフの数は少なくても業務は回ると思いがちですが、こうしたいわゆるDX(デジタルトランスフォーメーション)の波に乗れていない企業は未だに多く存在します。さらに最低賃金の大幅な引き上げも決まりましたので、これからの中小企業は「いかに効率的に人が動くか?」が重要な経営課題とも言えます。

 

そこで今回のコラムでは「最低賃金引き上げとDX」と題し、中小企業の皆さまが直面する重要な経営課題として、「DX」と「最低賃金引き上げ」について、最新ニュースを踏まえながら、会計士の視点から解説させていただきます。

目次

労働生産性が頭打ち 〜DXで進める変革の必要性〜

まずは現状の労働生産性に目を向けてみましょう。近年、大企業では生産性の向上が見られる一方で、中小企業特に小規模事業者では生産性が横ばい、もしくは減少傾向にあります。特にサービス業や小売業では、ITや製造業に比べて改善のスピードが遅く慢性的な人手不足の中で現場の負担が増すばかりです。

そのような状況下で注目されているのが「DX」、すなわち業務のデジタル化・自動化です。DXと聞くと「大企業の話」「IT業界の話」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実際には中小企業にこそ必要な取り組みであると私は考えております。

たとえば、受発注業務や会計処理のクラウド化、在庫管理や顧客管理の自動化など、身近なところから取り組み始めている企業が、少しずつ成果を上げています。これにより、従業員一人ひとりの負担を軽減しながら、全体としての業務効率や精度が上がっているのです。

ところが、こうしたDXの導入には設備投資がつきものです。2023年度は中小企業の設備投資が増加傾向にあったとはいえ、内容を見てみると老朽設備の更新にとどまり、本来の目的である「生産性の向上」「競争力の強化」に結びついていない例も少なくありません。

補助金の活用は必須?

資金繰りの不安や、将来の不確実性がある中で、新たな投資に踏み切れないお気持ちはよく分かります。しかし、こうした状況でこそ「補助金」や「支援制度」の活用が重要となってまいります。「ものづくり補助金」や「IT導入補助金」など、中小企業を支える制度は数多くありますので、ぜひ弊所も含む専門家の支援を得ながら前向きな投資戦略を立てていただければと思います。

2025年度最低賃金が過去最大の「1,118円」へ

このような経営環境の中でもう一つ大きなインパクトを与えるニュースが飛び込んで来ました。2025年度の最低賃金が全国平均で時給1,118円となり、過去最大の引き上げ幅である63円増となる見込みです。これにより、すべての都道府県で最低賃金が1,000円を超える見通しです。

この決定は、大企業にとってはさほど影響がないかもしれませんが、パートやアルバイトを多く雇用している中小企業にとっては、まさに経営に直結する問題です。とりわけ、小売業・飲食業・サービス業などの人手を多く必要とする業種では、直接的なコスト増につながることが避けられません。

「時給が上がるなら働く人が集まる」と単純にはいきません。逆に「コストが見合わない」と感じた事業者が採用を抑制したり、控除や社保加入の問題から「もうこれ以上は働けない」と感じた従業員が働き控えとして時間を抑えるといった現象も懸念されており、実際にそのような傾向が広がりつつあるとも報道されています。

こうした時代の中でこそ、やはりDXの重要性が再確認されるのです。人手不足・賃金上昇という二重苦を乗り越えるには、業務の効率化・自動化を進め、「限られた人員で、最大の成果を出す体制」を作るしかありません。単に人手に頼るのではなく、「人×デジタル」の融合によって、より強い企業体質を構築することが求められています。

どう始めたらDXは根付くのか?

第一歩は、現場の業務を丁寧に洗い出し、「どの作業に時間がかかっているのか」「どこに非効率があるのか」を可視化することです。次に、改善の余地がある業務については、無理のない範囲でITツールを導入していきましょう。たとえば、手書きやExcelで管理していた発注書をクラウドに切り替えるだけでも、作業時間が大幅に短縮されることがあります。

重要なのは、経営者ご自身が「変わる覚悟」を持つことです。DXの成否は、技術やツールの良し悪しよりも、むしろ経営者の姿勢にかかっています。「自分たちは中小企業だから無理だ」「人手で何とかなる」といった考え方から脱却し、社員を巻き込みながら一歩ずつ取り組むことが大切です。

さらに、こうしたDX導入や補助金活用については、税理士・社労士・ITベンダーなどの専門家のサポートを得ることで、ぐっと実現しやすくなります。当事務所でもこれまで数多くの顧問先様に対して、補助金申請支援やIT導入支援を行ってまいりました。必要に応じて、初期投資の回収計画や財務上のリスク分析なども行いますので、安心してご相談いただければと思います。

今回のまとめ

最低賃金の引き上げは一つの「外圧」であり、避けては通れない現実です。これから先も1,500円を目指していく政府の方針が変わることはないでしょうから、毎年頭を痛めることになるかもしれません。
しかし、これを悲観的に捉えるのではなく、「自社の体質を見直し、より強い組織へと生まれ変わるチャンス」と前向きに捉えていただきたいと願っております。

時代の流れにしなやかに対応しながら、変化を恐れずしかし着実に進んでいくこと。これが、これからの中小企業経営者に求められる姿勢ではないでしょうか。

補助金、DX化など弊所でもサポートできることはございますので、お気軽にお問い合わせください。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

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