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職場における熱中症対策

こんにちは。

内山公認会計士事務所の内山でございます。

今月も顧問先様をはじめとしたお客様へ向けて税理士・会計士としての立場から、専門的な知識・情報をわかりやすく解説していきたいと思います。

 

今年も気温が高く、全国的に猛暑が予想されております。と言いますか、すでに猛暑の勢いはすさまじく先月は最も暑い6月となりました。

こうした気象状況を踏まえ、2024年6月1日から「職場における熱中症対策」が法律上の義務として明確に定められるようになりました。

すでに一部報道などでご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、対応を怠った場合には罰則が科される可能性もありますので、企業経営者・総務ご担当者におかれましては、ぜひともこの機会に対策の見直しと実行をお願いいたします。

 

今回は、この法改正の内容を整理しつつ、対策にかかる費用の税務処理に関しても専門家の視点から解説してまいります。

目次

法改正の背景と改正内容のポイント

厚生労働省の統計によれば、2023年には職場における熱中症による死亡者数が30人を超え、4日以上の休業を要した被災者も1,000人以上に上りました。特に建設業や製造業、運輸業といった屋外作業を伴う業種での発生が顕著であり、命に関わる深刻な労働災害とされています。

こうした状況を受け、2024年4月に労働安全衛生規則が改正され、同年6月より以下のような対策が「罰則付きの義務」として事業者に課されることになりました。

対象となる作業環境

・暑さ指数(WBGT値)28度以上、または気温が31度以上の環境下
・上記環境で連続して1時間以上、または1日4時間超の作業が行われる場合

上記が対象作業環境となりますので、恐らくほとんどの屋外作業は対象となるのではないでしょうか? 

企業に義務付けられる主な対応

・報告体制の整備
熱中症の疑いがある従業員や周囲の人が迅速に報告できる仕組みを明文化・共有する必要があります。

・重症化防止のマニュアル作成
作業離脱 → 身体冷却 → 水分・塩分補給 → 医療機関搬送 → 経過観察、という一連の対応を明確化します。

・緊急連絡網と担当者の指定
事業所単位で緊急搬送先や担当者を定め、休憩場所や作業場に掲示するなどして全従業員へ周知します。

・教育・研修の実施
新人研修や定期安全教育の一環として熱中症対策の教育を盛り込み、全社員が初期症状を自覚・対処できるようにします。

税務上の処理と実務的な注意点

企業が熱中症対策として実施・購入した内容は、適切な会計処理によって損金(経費)として処理可能です。以下に実務上よく見られるケースをもとに、処理方法を整理いたします。

【1】冷風機・空調機器・空調服の導入
・単価10万円未満であれば「消耗品費」として一括経費処理可能
・10万円以上のものは「工具器具備品」として減価償却対象になります
・リース契約を利用した場合は「リース料」として処理

【2】飲料水や塩飴、経口補水液の支給
・全従業員を対象に公平な支給であれば「福利厚生費」
・特定の従業員のみの場合は「給与」とみなされることもあるため注意が必要です

【3】マニュアル・ポスターの作成・掲示
・業者に委託して作成した場合:「外注費」や「広告宣伝費」
・自社で作成した印刷物の費用:「消耗品費」や「事務費」

【4】教育・研修・講師派遣
・社外講師を招いてセミナーを実施した場合:「研修費」または「外注費」
・社内実施の場合は「福利厚生費」「教育費」として処理

対策費用の補助金・助成金の活用も検討を

一部の自治体や厚労省関連の補助金制度では、労働安全対策の一環として「職場の熱中症予防」に資する設備・研修費用の一部が助成される制度もあります。

たとえば、厚労省の「働き方改革推進支援助成金(労働能率向上コース)」などでは、こうした設備費用が助成対象となることもあります。都道府県によっても補助金が異なりますので、当事務所までお問い合わせいただければ該当制度をご案内いたします。

今回のまとめ

熱中症は「予防可能な災害」です。法令遵守はもちろんのこと、従業員の健康と命を守るという姿勢は、結果として企業価値の向上や職場の信頼感の醸成にもつながります。

また、これらの対策費用を税務上適切に処理することで、経営上の無駄を防ぎ、財務体質の健全化にも寄与いたします。

具体的な導入方法や経理処理についてご不明点がございましたら、どうぞお気軽に当事務所までご相談ください。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

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