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スポットバイトの活用と注意点

こんにちは。

内山公認会計士事務所の内山でございます。

今月も顧問先様をはじめとしたお客様へ向けて税理士・会計士としての立場から、専門的な知識・情報をわかりやすく解説していきたいと思います。

 

皆さんの会社ではスポットバイトのスタッフを雇用したことはあるでしょうか?

有名どころではタイミーなどがありますが、働く側としても空き時間の活用やちょっとしたお小遣い稼ぎといった感覚で利用出来ますし、雇う側も「今週の土曜日だけ人手が欲しい」「急に1人欠勤が出たので今日だけ働いてほしい」といったニーズに対応できるため、一見すると良い事ばかりに様に感じられます。

 

しかし、スポットバイトを活用して行くことはそれなりにリスクも抱えているのです。そこで今月のコラムでは「スポットバイトの活用と注意点」と題し、近年増えているスポットバイトに対し、中小企業が活用する上でどのようなことに注意しなければならないか? を解説させていただきました。

 

これからスポットバイトを活用して行こうと考えている企業にとっては参考になると思いますのでぜひ最後までお付き合いください。

目次

あくまで雇用関係

その日一日限りのスポットバイトと言え、業務委託ではなく雇用関係がありますので、労働条件通知書の交付が労働基準法で義務づけられています。
利用するアプリによってはデジタル化された労働条件通知書が自動生成・交付され、簡便に対応できることで法令を遵守することも可能になり、事業主も利用しやすくなっています。

しかし、スポットバイトには労務管理上の問題点も存在します。
労働時間に関していえば、1日8時間1週40時間の法定労働時間を超えれば割増賃金を支払うのですが、労働時間を通算するのは本人の申告がなければわかりません。1社あたりの賃金に限度額を設けてアラートやブロックが出て、社会保険加入や、地方税の給与支払報告書の提出などを避けるシステム設定のところもあるようです。
労災事故が起きても副業を認められていない場合は賃金通算もしにくいですし、労務管理はスポットバイトが抱えるこれからの課題といえるでしょう。

中小企業がスポットバイトを雇用する際の注意点とは?

労務管理以外にも注意すべき点はたくさんあります。労働条件通知書を交付したとしても、基本的な業務内容はしっかり伝える必要があると言えます。
スポットバイトで働いてくれているスタッフは一番身近なお客様ともなりえるのです。そのため、「聞いていた業務以外もやらされた」などと思われては会社にとって大きなマイナスとなってしまいます。スポットバイトと軽く考えず、就業前に仕事内容や報酬、勤務時間、休憩、服装のルールなどを明確に口頭でも説明することが重要です。

また、スポットバイトの多くは「はじめまして」の人材であるため、業務の引き継ぎや現場のルールを短時間で理解してもらう工夫も必要です。マニュアルの整備や業務の分かりやすい分担、フォロー役の配置など、受け入れ体制が整っていなければ逆に業務が混乱してしまうリスクもあるのです。

もう一つの大きな注意点として「個人情報の取り扱い」があります。たとえばレジ業務や顧客対応などを任せる場合、顧客データや金銭の管理が発生します。信頼できる人材であるかの判断がつきにくい中、セキュリティやトラブル時の対応についても考慮する必要があります。

人手不足の解消につながるか?

中小企業が抱える慢性的な課題のひとつが「人手不足」です。特に繁忙期や突発的な人員の欠勤が発生したときには大きな支障となります。そうした局面でスポットバイトは、一時的な戦力として非常に有効に働きます。

例えば、繁忙期の週末だけホールスタッフが欲しい。棚卸し作業を1日で済ませたい。展示会やイベントで人手が必要。といった場合でもスポットバイトを活用することで正社員や長期雇用者の負担を減らすことができます。人件費の無駄も抑えやすく、必要なときに必要なだけ雇用できる点は大きな魅力です。

しかしながら、スポットバイトはあくまで「応急処置」であるという認識も重要です。長期的に見れば、職場に対する愛着や忠誠心、経験の蓄積といった面では正社員やパートスタッフに劣ります。根本的な人手不足の解消というよりは、「突発的な穴を埋める」ための手段として位置づけるのが現実的でしょう。

また、スポットバイトをうまく活用しても、「働きやすい職場」でなければ、長期的に人材が定着しないという点も忘れてはなりません。人手不足対策には、スポットバイトだけに頼らず、職場環境の改善や人材育成、柔軟な働き方の導入など、複合的なアプローチが求められます。

今回のまとめ

スポットバイトは人手不足解消の救世主とはなれるが、あくまで一時的なものという認識をお持ちいただければと思います。スポットバイトがきっかけで職場を気に入ってもらい、労使双方がマッチングし正規雇用に繋がって行く可能性はゼロとは言えませんが、多く存在するケースとは言い難いでしょう。

また、トラブル防止のためにもスポットバイトを「その場しのぎ」で済ませるのではなく、経営戦略の一環としてしっかり活用していく視点が大切です。

人手不足が続く中だからこそ、柔軟な雇用の形をうまく取り入れつつ、同時に「人が集まり、定着する職場」を目指す努力が企業の未来を左右します。スポットバイトはその第一歩として、上手に活用していきましょう。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

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