一人っ子の相続
内山公認会計士事務所の内山でございます。
今月も相続対策のお役に立つ知識を、専門家としての立場から分かりやすく解説させていただきます。
当コラムや他のメディアでも言われますが、「相続は大変」「手続きが煩雑」は常套句と言ってもよいでしょう。一人が人生をかけて築いてきた財産を分けることになりますので、そう簡単に進むわけはありません。
しかし、例外としてそんなに大変ではない相続というものも存在します。それが今回解説する「一人っ子の相続」です。一人っ子は文字通り一人ですので、争う相手もおらず相続人が複数登場する相続に比べスムーズに進みやすい傾向があります。
とは言え、注意していただきたい点もありますので、一人っ子の方はぜひ当コラムを参考にしていただければ幸いです。
目次
- ○ 登場人物は一人だけ
- ○ 一人っ子の相続で注意したいこと
- ○ 今回のまとめ
登場人物は一人だけ

一人っ子の相続は上図の通り相続人が一人となります。仮に、上図の一時相続を考えたとしても登場人物は2人ですので、親子仲が破綻していない限りスムーズに進む可能性が高いと言えます。既述の通り、一人っ子の相続がスムーズに進む可能性が高い点として「争続」発生リスクが低いからということになります。
しかし、相続人が一人だからと言っても相続発生から納税までやることの順番は変わりません。リスト化してみましたので参考にしてください。
①遺言書の確認
②財産調査(デジタル遺産も忘れずに!)(マイナス財産が多い場合は放棄も検討)
③相続税の申告と納税
リスト化すると単純ですが、財産調査の結果もし不動産がその中にあった場合は相続登記が義務化されておりますので必ず行うようにしましょう。
ちなみに、相続税の基礎控除は3000万円+法定相続人の数×600万円です。
そのため一人っ子の相続では3600万円が基礎控除となりますので、これを超えない場合は3番の申告と納税は必要ありません。しかし、くどいようですが相続登記だけは財産額に関係なく行う必要がありますのでご注意ください。
一人っ子の相続で注意したいこと

まず初めに注意したいことは本当に相続人が自分一人だけか? という点を確認すべきでしょう。これに関しては親の戸籍謄本を確認すれば済みますし、金融機関によっては代表者選定という手続きを行う際に戸籍謄本の提出を求められますので、特段意識せずとも自然と確認が可能です。
次に注意したいこととしては遺言書の有無を確認することです。遺言書は先の相続法改定により、自筆証書遺言の方式が緩和され、より身近なものとなりました。つまり、依然と比べ気軽に書きやすくなりましたので、意外と遺言書を作成しているという方は多く存在します。
遺言書というのは執行者が指定されているケースがほとんどですが、まれに指定されていないケースも存在します。執行者とは遺言書の内容を実現する人になりますが、これが指定されていないと家庭裁判所へ申し立て、選任してもらわなければなりません。この手続きはいささか煩雑ですので、お一人で行う前に専門家へ頼んだ方が賢明と言えるでしょう。
また、遺言書の内容が自分に一円も相続させないというものであった場合は、遺留分の侵害請求も検討すべきと言えます。親子仲が良かったとしても相手の考えていることまでは分かりません。寄付をしたいというものであったり、誰かお世話になった方にすべてを譲りたいという内容が無いとは限りません。
ともかく、遺言書を発見した場合はその内容次第で手続は煩雑になってしまう可能性も存在すると覚えておきましょう。また、自宅で見つけた遺言書は家庭裁判所の検認が必要ですので、勝手に開けたりしないようご注意ください。
今回のまとめ

今回は一人っ子の相続を取り上げてみました。争う可能性が低いことからスムーズに進むケースが多いですが、遺言書の内容や財産の内容によっては手続きが煩雑化してしまうことも大いに存在します。
お一人だからすべてを自分でやらなければならないという決まりはありませんので、相続でお困りの際はお気軽に当事務所までご相談ください。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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