タワマン節税は終了?
内山公認会計士事務所の内山でございます。
皆さんは「タワマン節税」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?
タワマンとはタワーマンションの略で、都心を中心に超高層マンションがいくつも存在します。
「タワマン節税」とは、そのタワマンを使って相続税を節税するというスキームですが、2024年からそのルールを国税庁が見直す方針であることが報道され話題となっています。
そこで今月のブログでは『タワマン節税は終了?』と題し、変更点も踏まえタワマン節税スキームについて解説します。相続税について対策を行おうという方や、これからタワマン節税を行おうという方にとって参考になりますので、ぜひ最後までお付き合いください。
目次
- ○ タワマン節税とは?
- ○ タワマン節税はどう変わる?
- ・乖離率は平均2.34倍
- ○ 今回のまとめ
タワマン節税とは?

タワマン節税とは、既述の通り高層マンションを活用した相続税対策です。
なぜ、タワマンを購入することが節税につながるのか? という話ですが、次のような仕組みが存在するためです。
(例)1億円を相続した場合
「1億円の現金」は1億円そのままの価値として評価
「1億円で買ったタワマン」は市場価格の7~8割の価値として評価
現金や有価証券はそのままの価値で計算されますが、不動産は財産評価基本通達に従って計算すると上記のようになります。
さらに高層階を購入するほどその効果は大きくなります。なぜかというと、マンションの相続税評価額を算出する際は土地と建物がそれぞれ別で評価されます。
マンションの土地は各部屋の専有面積で割り算されますので、戸数の多いタワマンほど評価額が下がります。さらに、この評価額は1階でも30階でも面積が同じであれば評価額も同じです。
一般的に、高層階へ行くほど実際の販売価格は高額になる傾向がありますので、高層階であればあるほど相続税の評価額と実際の価値(市場価格)は大きく乖離していくことになります。
(例)
1.30階の1億円の部屋を購入=相続財産評価額7000万円
2.相続した人は7000万円の財産を相続したことになる
3.もし、タワマンを売却すれば1億円近くで売れる可能性も…
タワマン節税のスキームを簡単にまとめると上記の通りですが、実際の価値との乖離率が大きいため有効なスキームです。しかし、このやり方は行き過ぎた節税として税務署に否認されるケースも存在し、付け焼刃で始めると痛い目を見る可能性もありました。
実際にどこまでがO.K.でどこからがNGという線引きは存在しませんが、相続直前の購入や、相続直後の売却は否認される可能性が高いと言えるでしょう。
タワマン節税はどう変わる?

相続財産としての評価額≠実際の価値
ということはお分かりいただけと思います。また、高層階になればなるほど乖離率が大きくなり、節税に使われやすくなります。
そこで国税庁は、評価額と実際の価値の乖離率が小さくなるように算出ルールを改正する方針を取ろうとしています。
乖離率は平均2.34倍

国税庁HPより抜粋: https://www.nta.go.jp/information/release/pdf/0023006-018.pdf
上図を見るとタワマンの乖離率は平均2.34倍であることが分かります。
ということは1億円の市場価値があったとしても、相続財産上は1億円÷2.34=約4273万円となり、実に半額以下として計算されることになるのです。
これを修正するため、国税庁は次のように算出ルールを変えるようです。
①築年数、総階数(総階数指数)、所在階、敷地持分狭小度の4つの指数を元に乖離率を算出する。
②乖離率が1.67倍以上の場合は、相続税評価額に乖離率と0.6を掛けたものを評価額とする。
どういうことか先ほどの1億円の部屋を例に計算してみましょう。
※ここでは平均乖離率である2.34倍を使います。
4273万円×2.34×0.6=約5999万円
となり、以前の算出ルールと比較すると2千万円近く評価額が上昇していることになります。
算出ルール内で登場する1.67倍は戸建てとのバランスを考慮して適用された数字だそうですが、財産として考えた場合タワマンは魅力的であることがよく分かります。そのため相続税対策にも使われてきたわけですが、今回の算出ルール改正を機にタワマン節税は減って行くことが予想されます。
今回のまとめ

相続税に限らず節税対策は当局とのいたちごっこであるとも言えます。今回のタワマン節税が改正されても新たなスキームが誕生することでしょう。
不動産、生命保険、生前贈与など相続税の対策は様々なものが存在します。「良さそう!」と思って、何かのスキームに取り組む前に、ぜひ我々専門家へご相談していただくことをお勧めします。誤った知識のまま進める対策ほど怖いものはありませんし、今回のケースの様に改正が発生する可能性もあるのです。
ご自身の財産をなるべく減らさず次世代へ受け継ぐお手伝いをさせていただければ幸いです。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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