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給与のデジタル払い解禁

こんにちは。

内山公認会計士事務所の内山でございます。

今月も顧問先様をはじめとしたお客様へ向けて税理士・会計士としての立場から、専門的な知識・情報をわかりやすく解説していきたいと思います。

 

皆さんは日頃「○○ペイ」などを使用しているでしょうか? 中には会社の経費も含めてすべてデジタルマネーで支払っているという方もいらっしゃるかもしれませんね。すでに私たちの生活に大きく浸透しているデジタルマネーですが、遂に給与支払いもデジタルマネー払いが解禁されることになりました。

 

そこで今月のコラムでは『給与のデジタル払い解禁』と題して、基本的な部分を解説して行きたいと思います。ぜひ最後までお付き合いください。

目次

デジタル払いも選択可能に

会社の社長も含め、毎月の給料は銀行振り込みで受け取っているケースがほとんどではないでしょうか。しかし、給与とは本来賃金支払いの5原則という物があり、
①通貨
②直接
③全額
④毎月1回以上
⑤一定期日
を満たさなければなりません。しかし、労使で合意があった場合は「直接」が「銀行振込」になっても構いませんので、多くの会社が現金運用のリスクを考え、振込にしているという訳です。

今回解禁になるデジタル払いは「銀行振込」以外に「○○ペイ」などを使って給料を払っても良いということになりますが、実際の運用面について見て行きましょう。

給与デジタル払いの概要

いつからデジタル払いが可能となるのか? については令和4年11月にデジタルマネーによる給与の支払いを可能とする労基法施行規則が改定され、施行(スタート)は令和5年4月1日となります。

次に、どんな業者を利用できるのか? という点については厚生労働大臣の指定を受けた資金移動業者ということになりますが、業者の発表は省令が施行される令和5年4月1日以降となります。

「○○ペイ」と聞くとポイント還元を思い浮かべる方もいらっしゃると思いますが、給与を換金不可能なポイントで支払うなどと言うことはもちろんできませんし、最低月一回無料で引き出す手段が用意されていることも業者に求められる条件となっています。また、アカウントの残高上限は100万円までです。

以上の概要を踏まえてメリット・デメリットについても見て行きましょう。

メリット

・銀行口座を持たない従業員や持つことが難しい従業員への支払いが楽になる。
例えばアルバイトの高校生や外国人労働者へ給与を支払う際には、「現金」以外の選択肢が登場しますので、働く側の了解さえもらえれば、現金運用リスクを回避することが可能です。
さらに、「○○ペイ」は振込手数料を無料にしているケースが多いため、支払い手数料の節約にも繋がります。
また、働く側からしても日頃から馴染みのある「○○ペイ」であれば、使う時も誰かに送る時も非常に便利であるため企業側の対応は喜ばしいことと言えます。


・給与を分けて支払うことも可能に
振込手数料がかからないわけですので、週払いや日払いと言った労働者のニーズに応えることも可能になります。ただでさえ人手不足の現代ですから、他社と異なり給与の支払い方法を柔軟に自分で選べますという会社があれば労働者からの注目は非常に高くなることでしょう。

デメリット

・不正送金、セキュリティへの課題
「○○ペイ」は一部サービスで本人確認が無くとも使用可能です。恐らく給与受け取りには本人確認の完了したアカウント以外では行えないことになると思いますが、不正送金やセキュリティのリスクは常に付きまとうものと考えておいた方が無難でしょう。

・事務負担の増加
便利になる部分もあればそれを維持する裏方は大変な苦労がかかってしまうこともあります。デジタル払い希望者からの同意書取り付け。既存ネットバンクシステムとの連携。週払い・日払いを行うのであればそれらの経理処理。等々、メリットを享受出来る反面、負荷のかかる部署が社内で発生することは目に見えていますので、どのように対処するのか? を今のうちから検討しておく必要があると言えるでしょう。

今後の展望は?

令和5年4月1日からとはなりますが、実際に民間でスタートできるのは今年の夏くらいからではないかと考えます。それまでにどの業者を使うのか? を労使間で合意し、運用ルールも決めておく必要がありますね。

もし、デジタル払いをうまく活用できれば近い将来こんな使い方が出来るかもしれません。
例えば手取り給与が30万円の方であれば…
「今月は20万を銀行で10万を○○ペイにしておこう」や「ちょっと大きな出費があるから20万を○○ペイにしよう」といった形で活用できますので、自身でわざわざチャージすることも、提携クレカも作ることなく、ポイントを忘れずに獲得出来るという、自動ポイ活状態を作り出せるかもしれません。

他方、会社側はこのことを大きなメリットして労働者に訴求することで、人手不足解消の小さな一歩になるのかもしれません。現状、労使双方に致命的なデメリットは存在しないと考えますので、本制度は導入を前向きに考えてみてはいかがでしょうか?

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

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