フリーランスへ仕事を頼む前に
内山公認会計士事務所の内山でございます。
今月も顧問先様をはじめとしたお客様へ向けて税理士・会計士としての立場から、専門的な知識・情報をわかりやすく解説していきたいと思います。
働き方改革などの影響もあり、兼業・副業やフリーランスという新しい働き方を選択する方も増えてきました。皆さんの会社でも副業が解禁となったり、フリーランスの方へ仕事を依頼したりということも増えてきたのではないでしょうか?
そこで今月のブログでは『フリーランスへ仕事を頼む前に』と題し、自社の社員とどのようなところが異なり注意しなければならないのか? について解説して行きます。人件費削減や業務効率化を進める過程において、フリーランスへ仕事を頼もうと思われている方は参考になると思いますので、ぜひ最後までお付き合いください。
目次
フリーランスガイドライン

国は2020年7月の成長戦略実行計画の閣議決定を受け2021年3月にフリーランスガイドラインを策定しました。その中でフリーランスの定義について「実店舗がなく、雇人もいない自営業者や一人社長であって、自身の経験や知識、スキルを活用して収入を得る者」と定めています。
また、本ガイドライン概要には次のような記述があります。
「事業者とフリーランスとの取引について、独占禁止法、下請代金支払遅延等防止法、労働関係法令の適用関係を明らかにするとともに、これらの法令に基づく問題行為を明確化するため、実効性があり、一覧性のあるガイドラインについて、内閣官房、公正取引委員会、中小企業庁、厚生労働省連名で策定し、フリーランスとして安心して働ける環境を整備。」
内閣官房HPより抜粋https://www.cas.go.jp/jp/houdou/20210326guideline.html
つまり、一般的に立場の弱いフリーランスを助けるためのガイドラインですが、具体的にどのようなことに気を付ければ良いのでしょうか?
会社員とはココが違う

まず注意しておきたい点としてフリーランス、労働者どちらに属するのかということが上げられます。
なぜここを注意しなければならないのかと言うと、フリーランスであれば外注費、労働者であれば給与となり、源泉所得税や消費税の仕入税額控除に影響を及ぼします。さらに、労働法や社会保険の適用にも関係してくる部分ですので、極めて重要と言えるわけです。
フリーランス、労働者のいずれとなるのか? については以下の判断基準が示されています。
「指揮監督下の労働」といえるか
フリーランスはその言葉通り自由に仕事を選択できます。無論、取引先とも立場は対等なものです。発注先は「仕事をいただくお客様」であることは確かですが、その組織の一員となるわけではありません。
従って次のようなケースでは労働者とみなされる可能性が高いと言えます。
仕事の依頼等への諾否の自由の有無
仕事の依頼を拒否できないなど。
業務遂行に当たっての指揮監督の有無
仕事の進め方を詳細に命令されている。発注先より定例会議への出席を義務化されるなど。
勤務場所や勤務時間に関する拘束の有無
安全上の理由など合理的理由がない中での服装規程も拘束とされています。
代替性の有無
フリーランス自身の判断で業務を第三者に依頼できないなど。
報酬が労務対償性を有するか否か
決められた時間に決められた仕事を行い、給与を得るのが会社員であり、フリーランスは仕事の成果に対して報酬が支払われます。
例えば、日給や時間給が決められていたり、遅刻早退などで報酬の減額があったり、反対に長時間働いたため報酬の割り増しがある場合などは、労働者と判断される可能性が高いといえます。
補強要素
その他の要素として次のようなものがあります。
事業者性を有するか
仕事で使う機械などを発注先が用意していないか? など。
専属性が認められるか
他の仕事を制約されていないかなど。
公租公課の負担関係、採用の過程等
そもそも給与所得として源泉徴収を行っている、採用課程が自社社員採用と同じフローを経ているなど。
今回のまとめ

日本は未だに「正社員であること」が大切にされますが、コロナ禍で急速に進んだ「どこでも働ける体制」によって、フリーランスという働き方は今後ますます増えて行くことでしょう。
しかし、大企業と違いたった一人ですべてを判断し、日々の業務を進めて行くわけですから当然その立場は弱いものとなってしまいます。
仕事を依頼する側は「対等」な立場と気持ちを持って、フリーランスと業務を進めることはもちろんですが、それらの行動指針を明確なものとするため社内ルールの整備を行い、実態上労働者となっている場合などはきちんと雇用に切り替えて行くということも必要です。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
シェアする