スマホと相続
内山公認会計士事務所の内山でございます。
今月も相続対策のお役に立つ知識を、専門家としての立場から分かりやすく解説させていただきます。
問題です。
毎日触れる機械であるにもかかわらず、相続時に見落としがちなモノは何でしょう?
答えはスマホです。一人一台は当たり前の時代ですが、スマホの契約は複雑化しており、万一家族が亡くなった際はどのような手続きをしたら良いかご存じない方も多くいらっしゃることでしょう。また、スマホ内のデータをどのように取り扱うかも悩ましい問題です。
そこで本ブログでは、上記問題をどのように解決して行けばよいのかを数回に分けて解説して行きたいと思います。ぜひ最後までお付き合いください。
目次
- ○ 解約?名義変更?
- ・どちらを取るか?
- ・どこで手続するのか?
- ○ 機種代はどうしたらよいか?
- ・相続放棄は要注意!
- ○ 今回のまとめ
解約?名義変更?

スマホの契約者が亡くなった場合は回線自体を解約するか、名義変更するかの2択になります。しかし、葬儀の準備やその他諸々の忙しさに忘れてしまい、スマホをそのままにしてしまうことは多く存在することでしょう。
相続税の申告期限のように「いつまでに手続きする」という決まりはありませんが、そのままにしてしまった場合は、当然ながら基本料金や有料アプリの課金が存続しますので、出来るだけ早いうちに解約もしくは名義変更をすると良いでしょう。
どちらを取るか?
これはケースバイケースになりますが、スマホを解約するということは番号自体が消滅することになりますので、亡くなった方が交友関係の広い方であれば誰かから連絡が来るかもしれない…という場合に備えて名義変更を行い、番号を維持したほうが良いかもしれません。
一方、普段からあまりスマホは使わずもっぱら固定電話のみを使用していた。という方であれば解約してしまっても問題ないでしょう。
どこで手続するのか?
ドコモ、au、ソフトバンクの3大キャリアは基本的にショップで手続を行います。そのため、亡くなった方が3大キャリアを利用されていた場合はショップに来店予約を行い、必要書類を確認してから手続きに訪問しましょう。
格安SIMと呼ばれるMVNOは一部ブランドを除いてショップがありませんので、ネットや郵送で手続を行うことになります。ただし、MVNOは全社が名義変更できるわけではなく、一部の通信会社では解約のみを受け付けるというケースもありますので、詳しくはご契約中の通信会社へお問い合わせください。
機種代はどうしたらよいか?

近年はスマホ本体価格の上昇に伴い、キャリアが実施している分割購入という選択を取る方も多いかと思います。この場合、機種代の残債は例え解約したとしても残ることになりますので、一括で支払うか今まで通り分割で支払うかを選択する必要があります。
ちなみに、機種代の残債は相続財産から控除することが可能です。また、亡くなった方が生存していた期間の利用料金も同じく控除対象となります。
相続放棄は要注意!

故人が多額の借金を抱えて亡くなった等の理由で相続放棄を検討される方もいらっしゃると思います。
その際に、「とりあえず請求書来ているし、少額だから遺産の一部から払おう」と安易に行動してしまうと、法定単純承認とみなされ相続放棄が認められない可能性が存在します。
他方、「とりあえず自分の財布から払っておくか…」ということであれば、故人の財産を使ったわけではありませんので、法定単純承認は成立しません。もっとも、相続放棄を行えば相続人が支払う義務は無くなります。
また、「端末新しいし使いたいから名義変更しよう」といった行動を取った場合は、被相続人のスマホ(財産)を自身のものにした(財産を処分した)とみなされる可能性は非常に高いため、避けた方が良いでしょう。
解約・名義変更いずれのケースでも、相続放棄を検討されている方はスマホの契約に関しても安易に行動せず、専門家へ相談されることを強くおススメ致します。
今回のまとめ

毎日使う物の割には意外と相続で見落とされるのがスマホです。近年ではスマホ=個人情報の塊とも言えますので、家族でさえロックを解除することは至難の業となりました。
次回のブログでは相続とスマホでありがちな「デジタル遺産」について解説してまいりますので、来月も楽しみにお待ちいただければと思います。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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