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認知症と相続~予約型代理人~

こんにちは。

内山公認会計士事務所の内山でございます。

 

今月も相続対策のお役に立つ知識を、専門家としての立場から分かりやすく解説させていただきます。

 

日本は間もなく梅雨入りとなりますが、コロナの感染状況も落ち着きを取り戻しており、海外からの入国者についても規制緩和が進んでいる状況です。このままコロナが収まってくれればよいのですが、より一層の感染対策に気を配り終息まで持っていきたいところですね。

 

さて、今月の相続コラムは『認知症と相続~予約型代理人~』と題し、三菱UFJフィナンシャルグループが開始した予約型代理人について解説していきたいと思います。認知症になってしまった親の財産をどのように活用して行けばよいのか? ということに対するヒントもありますので、ぜひ最後までお付き合いください。

目次

認知症と相続

※内閣府HPより加工して引用
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2016/html/gaiyou/s1_2_3.html


上図を見ると2030年には65歳以上の20%以上が認知症となることが予想されています。認知症を発症してしまった場合、症状の進行状況によっては銀行預金や不動産取引など、自分で判断することが難しい取引に大きな制限を課されてしまう可能性がございます。

なぜかというと、自身での判断が難しい方が行う取引は法的に認められることは無く、成年後見人制度を始めとした各種制度によって守られた中で行う取引のみ、認められるという仕組みがあるためです。

例えば今回取り上げる銀行預金に関して言えば、自分の名前が書けない。自分の住所が書けない。自宅の電話番号が書けない。といったことが銀行窓口で発生した場合、預金自体を凍結されてしまう恐れがあるのです。

無論、「勝手に下ろされないように」ということが大前提にはなりますが、認知症を発症してしまった方の年金によって日常生活を送っている家庭にとっては生活が経ち行かなくなってしまう恐れもあることでしょう。また、施設入所のお金を本人の預金によって賄おうと考えていた場合も、下ろせなくなってしまってはその計画も練り直す必要が出てきてしまいます。

そこで、三菱UFJフィナンシャルグループが業界の先陣を切り「予約型代理人」という制度をスタートさせました。

予約型代理人とは何か?

上図をご覧ください。予約型代理人制度を利用する場合は、預金名義人が元気なうちに銀行で手続する必要がございます。代理人として指定ができるのは、配偶者、二親等以内の血族、その他の親族、パートナー(代理人の同席と本人確認書類が必要)となっております。

代理人はあくまで「予約」という状況ですので、本人に判断能力がある元気なうちは自ら金融機関で各種取引をすることが可能です。そして、いざ認知症を発症し判断能力が不十分な状態となってしまった際は下記のような取引が代理人によって可能となります。

・円預金の入出金、解約
・運用性商品(外貨預金・投資信託・株式等)の売却、解約
・住所、電話番号変更のお届け
・残高証明書発行のお手続き等
※対象手続きは三菱UFJフィナンシャルグループの各社によって異なります。

預金の入出金が出来るということは、先述の年金によって生活を維持している家庭や、施設入所のお金を本人預金から工面するといったケースへ対応できますので、画期的な制度が誕生したといえるでしょう。

ただし、上記の代理人範囲や取引できる行為に関してはあくまで“現状”この通りであるという点にご注意ください。今後制度が変更される可能性もゼロではありませんので、詳しく知っておきたい方は三菱UFJフィナンシャルグループへお問い合わせください。

他制度と比較するとどうなのか?

予約型代理人制度以外に認知症を発症してしまった方の財産を活用し守る手段として、家族信託や成年後見制度(法定後見)がございます。

それぞれの制度については以前当ブログでも解説しておりますが、制度を活用する“手間”ということだけで見た場合、予約型代理人はもっとも優れた制度であるといえます。

ただし、現状では三菱UFJフィナンシャルグループのみの対応となっており、メインバンクが異なる場合には新たに口座を作成する必要がありますし、年金振込先の変更も同時に行う必要があるでしょう。

また、予約型代理人は主に銀行預金のみに対する活用と防衛です。不動産を活用してほしいといった場合には家族信託や法定後見が必要になりますし、そもそも判断能力がすでに衰えてしまっている方の場合には、法定後見しか選択肢がありません。

手軽に利用できる反面、制限がある制度であるということも理解し、ご自身のライフプランにあった制度を選択されることをお勧めいたします。

今回のまとめ

認知症を発症してしまった方の預金取り扱いについてはこれまで「現場判断」が主流でした。三菱UFJフィナンシャルグループが取り組んだ本制度は画期的であるのと同時に、利用者間の不平等解消に一役買うものでもあるでしょう。

しかし、代理人を誰にするか? といったことは慎重に考える必要があると言えます。他制度も同様ですが、制度利用を検討する際はお一人で悩まず、我々専門家へご相談いただきながら、ご自身にあった制度を見つけていくとよいでしょう。

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

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