BLOG ブログ

HOME // ブログ // 保険金はすべて相続財産?

CATEGORY


ブログ 相続

保険金はすべて相続財産?

こんにちは。

内山公認会計士事務所の内山でございます。

 

今月も相続対策のお役に立つ知識を、専門家としての立場から分かりやすく解説させていただきます。

 

以前当コラムで「生命保険金は相続財産ではない」ということについて解説致しましたが、所謂「保険金」と呼ばれるものすべてが相続財産にならないというわけではありません。

 

新型コロナウイルスをきっかけとして生命保険を見直す方が増えているようですので、今月のコラムは『保険金はすべて相続財産?』と題して、給付される保険金によって相続上どのような扱いをしたら良いか? について解説して行きます。

 

生命保険加入率90%以上と言われる日本人ですので、読者の方も何らかの生命保険には加入しているかと思います。どうぞ本コラムを参考に相続と保険についての知識が深まれば幸いです。

目次

生命保険金はみなし相続財産

以前当コラムで死亡保険金は相続財産では無いということを解説致しましたが、今一度どういうことなのか簡単に振り返ってみましょう。

生命保険の契約例
契約者:父親
被保険者:父親
受取人:子ども

よくあるケースとして上記のような契約がございます。
この場合、被保険者(父親)が亡くなると子どもに保険金が支払われますが、これは受取人である子どもの固有の財産という扱いになります。受取人固有の財産であるから相続財産にはならないのですが、経済実質的には被相続人(父親)の死亡によって財産を取得するので、相続財産又は遺贈財産とみなして相続税が課税されます。

つまり、「死亡保険金は相続財産では無いけれど相続財産とみなしますよ」というのが実態です。“みなしますよ”ということですが、法定相続人には1人当たり500万円の非課税措置がございます。

仮に上記契約が500万円の死亡保険金であれば、他の相続財産と保険金500万円は合算して計算されますが、法定相続人が一人以上いる状態ですので、保険金の500万円に相続税が課税されることはありません。

他の保険はどうなのか?

「保険」と一口に言っても死亡保険ばかりが保険ではありません。
代表的なものとして、「医療保険」「がん保険」「火災保険」などがありますが、相続と密接にかかわる保険としては「医療保険」が該当すると言えます。

なぜなら、高齢者の場合体調を崩して入院しその後亡くなってしまうというケースは非常に多く、医療保険と死亡保険を同一の保険会社で加入している場合などは同時請求するということもあるでしょう。

そもそも「医療保険」は入院したら一日○○円。手術をしたら○○円という形で支払われるものですので、死亡保障は一般的にありません。しかし、上記のような場合は入院を経たうえで死亡しているわけですから、医療保険の支払い対象である入院一日○○円の部分に該当します。

確かに支払い対象とはなりますが、ここで問題となってくることとして受取人は誰なのか? という点が上げられます。

医療保険の契約例
契約者:父親
被保険者:父親
受取人:父親

医療保険は一般的に被保険者(保険を掛けられている人)が受取人となっているケースが多いため、今回の例では亡くなった父親が受取人となります。

この場合、死亡保険金とは異なりみなし相続財産とはなりません。
仮に子どもが父親の代わりに代理請求し、自身の口座に入金してもらったとしても「本来父親に支払われるはずだった医療保険の給付金を預かっているだけ」という状態となり、父親の相続財産としてカウントされます。
また、医療保険の給付金に法定相続人の非課税措置はございません。

医療費控除には注意

相続が発生した場合には、相続税の申告だけでなく亡くなった方の1月1日から亡くなった日までの所得について「準確定申告」という手続きを行う必要がございます。

医療保険の給付金自体は非課税となりますので、故人の所得にはなりませんが、医療費控除を受ける場合には、実際にかかった医療費から保険で受け取った金額を差し引いて計算する必要がありますのでご注意ください。

契約上の受取人は誰なのか?

・医療保険の給付金は「所得」にはならず「相続税の課税対象」
・死亡保険の保険金は「みなし相続財産」

医療保険も死亡保険も同じ「生命保険」というカテゴリーに該当しますが、保険金の種類によって上記の様に分けられます。混同しがちですが、保険契約上の「受取人」が誰なのか? という点に注意して見ると分かりやすく区別することが可能です。

一般的な契約例
・死亡保険
受取人:配偶者や子どもなどの親族

・医療保険、ガン保険、介護保険
受取人:本人

・火災保険
受取人:本人(建物・家財の所有者)

保険金は受取人固有の財産である旨既述の通りですが、原則受取人が被相続人(亡くなった方)である場合、未請求の保険金が存在すればそれは「相続財産」となってしまいます。

また、火災保険の場合「積立型」などの解約返戻金があるタイプは、相続発生時点の解約返戻金相当額が相続財産としてプラスされます。
保険会社に連絡すれば相続発生時点の解約返戻金が分かる書類を用意してくれますので、「積立型」の火災保険に加入している場合は忘れずに手続きを行いましょう。

一方「掛け捨て型」の火災保険を1年契約ではなく長期で契約し契約期間分の保険料を一括して支払っている場合は未経過分の保険料相当額が「相続財産」としてプラスされます。

例えば10年契約で50万円の保険料を支払った火災保険が存在したとして、5年経過時点で相続が発生すると、残り5年が未経過分という扱いになります。この場合、単純に25万円が未経過分という訳ではなく、保険会社が所定の計算式に沿って未経過分の保険料を算出しますので、「積立型」の時同様保険会社に書類を用意してもらう必要がございます。

ご注意いただきたい点として、1年契約の火災保険であったとしても、契約を続けて行きたい場合は名義変更が必要です。名義変更をしていない状態で保険事故が起きた場合でも、契約が有効であれば保険金は支払われますが、スムーズな手続きが出来ない可能性もあるのです。
「親の遺した家には住むけど火災保険はこのままでいいか…」とは思わずに、名義変更は必ず行うことをおススメ致します。

他方、「実家が空き家になった…」という場合は、火災保険で保障されないケースも存在します。火災保険は「住宅物件」を保障する保険ですので、「空き家」は多くの保険会社で原則対象外です。

もし、相続した不動産が空き家になる場合は、ご加入中の保険会社には空き家になった旨を連絡し、別の保険へ切り替えるのか? そのままの契約でも保険対象となるのか? をきちんと確認した上で適切な手続きを取ると良いでしょう。

今回のまとめ

日本ではオミクロン株の流行で「コロナ保険」の販売停止や値上がりが発生しているようです。「コロナ保険」というものが存在することにも驚きですが、それだけ日本人は保険好きということなのでしょう。

医療保険と死亡保険は新型コロナウイルスとも密接にかかわる保険ですが、支払われる保険金が相続の場面になると混同されがちです。

また、生命保険は「保険金請求」という考えがすぐに浮かぶ方が多いと思いますが、火災保険まで気にされる方は少ないのではないでしょうか。

各種保険の種類や受取人は誰なのか? といった点で税務上の取り扱いは異なりますので、正しく理解し必要な手続きを行っていただければと思います。

当事務所では、電話やメールによるご相談も受け付けておりますので、どうぞお気軽にご相談ください。

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

SHARE
シェアする
[addtoany]

ブログ一覧