オンラインだから気を付けたい3つのこと
内山公認会計士事務所の内山でございます。
今月も顧問先様をはじめとしたお客様へ向けて税理士・会計士としての立場から、専門的な知識・情報をわかりやすく解説していきたいと思います。
コロナ禍において急速な広がりを見せたものに「Web会議」がありますが、読者の皆様も打ち合わせや商談、研修などで日常の一部となっていることと思います。
そこで今回のコラムでは「オンラインだから気を付けたい3つのこと」と題し、Web会議を利用する際注意しておきたい点を解説して行きます。
コロナが落ち着いたとしても「直接会う」という機会は減っていくことが予想されますので、本コラムを参考にWeb会議スキルを身に着けていただければ幸いです。
目次
オンラインならではの感覚と技術的な問題

「空気を読む」という表現がありますが、人と人が直接会って話をする場合に感じる「空気感」とオンラインで話をする際に感じる「空気感」は明確に異なります。
「この話伝わっているのかな?」
「リアクション薄いけど納得してくれているのかな?」
といった不安はWeb会議で誰しも感じたことがあるのではないでしょうか。
人はコミュニケーションを取る際に、相手の発言を聞き取ることにも集中しますが、それと同じくらい相手の身振り・手振り・視線・会話の間といったことからも情報を得ようとしています。相手の発言にプラスして上記のような「空気感」を一緒に読み取るからこそ、コミュニケーションはうまく行くのです。
しかし、Web会議ではカメラの位置・マイク、カメラの性能・通信環境によって直接会った時のような「空気感」を感じることが難しい場合が往々にして存在します。
「Web会議 カメラ おすすめ」や「Web会議 マイク おすすめ」などと検索していただければ、機械上の問題はクリアできますし、通信環境に関して言えば固定回線を引く工事を行えば解決するかもしれません。ただ、オンラインならではの注意点は技術的な問題以外にも存在するのです。
「営業」ではなく「ただの説明」

皆さんは新規客・既存客に関らず「営業」を行う際何を大切にされているでしょうか?
私の考える「営業」とは、自身の持つ商品・商材を通してお客様の抱える問題を解決する…ことだと思っています。
問題を解決するためにまず行わなければならないこととして、相手の抱えている問題を具体化・共有するということが上げられます。
例えば、日々の経理処理や決算を自ら行うことが難しい…という問題を抱えている方がいらっしゃるとすれば、具体的にどのような作業が難しいのか? 過去に税理士に依頼したことはあるのか? 現在どのように帳簿付けを行っているのか? などをヒアリングし、「私に依頼していただければ○○の作業を行いますので、お客様の問題は解決します。その際の料金は○○円です」と“営業”へ繋げて行きます。
上記は私たち税理士業界の話にはなりますが、“営業”の過程において共通する点は他業種の方でも多くあるのではないでしょうか。つまり、いきなり料金やメニューの「説明」をしても相手の問題解決にはなりませんし、何より成果に結びつく可能性は非常に低いと言えるでしょう。
ところが、「空気感」の伝わりづらいオンラインでの商談となると、問題の具体化・共有を飛ばして「説明」だけになってしまいがちです。お客様と対話をしながら進めることは難しいかもしれませんが、オンラインで営業を行う際は直接会う時以上に意識して相手の反応を引き出しやすくすることが重要です。
・アイスブレイクの時間を必ず設ける
・相手に話をしてもらう時間を多くとる
・「説明でわからないところはありませんか?」と投げかける
これらのことを意識してオンラインでの営業を行っていくことをおススメいたします。
ながら参加は意外と多い?

私の知人にセミナー業をされている方がいらっしゃるのですが、その方から伺ったお話です。
コロナ禍でリアルセミナーの開催が難しくなり、オンラインセミナーへと転換しました。幸い参加者を集めることには成功しましたが、リアルセミナーと比べると参加者の理解度・満足度が低く、参加者アンケートでも“わかりにくかった”と回答する方が増えたそうです。
知人は講師歴も長く、リアルセミナーは毎回会場が満席になるほどの人気講師なのですが、なぜオンラインでは参加者の理解度・満足度が低くなってしまったのでしょうか?
知人もこのままではいけないと思い、リアルセミナー以上に参加者とコミュニケーションを取ることに心がけたそうですが、そこで気づいたことがあるそうです。それは「ながら参加」する方の存在です。
なぜ気づいたのかというと、ある参加者へ呼びかけをしても全く反応が無く、セミナー終了後に理由を尋ねると「急ぎの仕事が入り、作業を優先してしまった」と言われたそうです。
有料・無料を問わずリアルセミナーへの参加であれば、意識の差こそあれ参加者はセミナーへ参加することだけに集中しています。しかし、オンラインセミナーの受講場所は“好きなところ”となりますし、参加者がビデオONにしていない限り講師側から表情の確認をすることも出来ません。そのため、参加者の中には他の事をしながら耳だけ講師に傾ける「ながら参加」をする方も少なからず存在してしまうわけです。
当然「ながら参加」では集中して聞いている状態と異なり、耳に入って来る情報も断片的なものとなりやすいでしょうから、参加者の理解度も低くなることは予想できます。
これはセミナーだけの問題ではなく、多人数の会議でも起こりえることです。しかし、「ながら参加」を完全に防ぐ方法はありませんので、「オンラインセミナーとはそういうものだ」と割り切るか、可能であれば「ビデオONの義務化」を呼びかけるのも効果的であると考えます。
今回のまとめ

①技術的な問題から来る「空気感」の掴みづらさ
②直接対面以上に必要となる相手の反応確認
③「ながら参加」は存在するものと考える
以上の3つがオンラインだからこそ気を付けたい点となります。「ながら参加」だけは相手の都合もあるためこちらの努力だけでは難しい部分もありますが、①②に関しては事前準備と練習で対応できる可能性が高いと言えるでしょう。
時代がオンライン化し、人々のコミュニケーションがデジタル化していく時であっても、相手の反応を観察し読み取る基本的なコミュニケーション力は、不要になるどころか高度なものが求められるようになって来ています。
もっとも、オンライン上とは言え「人と会う」ということに変わりはありませんので、会う人へのリスペクトを忘れず、“良い時間の共有”を常に心がけていればWeb会議システムも上手く運用できるのではないでしょうか。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
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