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エンディングノートのススメ

こんにちは。

内山公認会計士事務所の内山でございます。

 

今月も相続対策のお役に立つ知識を、専門家としての立場から分かりやすく解説させていただきます。

日本ではゴールデンウィークがスタートしましたが、昨年同様コロナ禍によって行楽地へ出かけることは難しい状態が続いています。このような状態だからこそ、日頃あまり考えることは無いご自身の人生を棚卸してみるというのはいかがでしょうか?

 

そこで今月のコラムは人生の棚卸に必要となる『エンディングノート』について解説させていただきました。遺言書との違いや、どんなことを書いておいたら良いのか? 書いた後はどうしたらよいのか? といった基本的な部分から解説しておりますので、どうぞ最後までお付き合いよろしくお願い致します。

目次

エンディングノートとは

エンディングノートとは、人生の終末について記したものであり、家族や友人に伝えておきたいことを記録しておくものです。ノートと言う名前がついていますが、紙のノートに書く以外にも近年ではPDFなどデータ保存されている方もいらっしゃるようです。

書き方や保存方法などに決まりはありませんので、自分が書きたいと思った時に気軽に作成することが可能です。「自分の死後について希望を書き残す」と聞くと、遺言書を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれませんが、エンディングノートと遺言書は似ているようで大きく異なります。違いについて見て行きましょう。

エンディングノートと遺言書の違い

両者の最も異なる点は、法的効力があるか否かということです。
自身の死後について希望を書くことが出来るという点では同様ですが、既述の通りエンディングノートに法律で決められた書式はありません。一方で遺言書には民法で定められた書式が存在します。

また、遺言書は書ける内容も自身の遺産相続や遺贈、子どもの認知が主たるものとなり、「死後」についてだけ書けるのに対して、エンディングノートは生前のこと、例えば葬儀の内容や延命治療の拒否についても自由に記すことが可能です。

自由に記すことが出来ますので、遺産相続についても書くことは出来ますが、法的効力が無いため必ずしも書いた通りに自身の希望が実現するというわけではありません。

ではなぜ、必ずしも希望が実現するわけでは無いエンディングノートを作成する方がいらっしゃるのでしょうか? 実は遺された家族が死後の様々な諸手続きで混乱しないようにするためという側面もあるのです。

エンディングノートは家族のため

今はまだ元気で何でも自分で判断ができる状態であったとしても、認知症の発症等を経て、判断能力が低下してしまった場合、自身の希望をどのように家族へ伝えたら良いでしょうか? 事前にエンディングノートへ書き残しておくことで、希望する介護や入所する施設。私物の処分方法、定期課金サービスの契約状況など、家族に伝えておきたいことは伝えることが出来ますし、家族も混乱せずに済むのです。

また、冒頭申し上げたように自身の人生を棚卸することにもつながりますので、現在の経済状況を正確に把握できるようになりますし、家族への想いも伝えることが可能です。エンディングノートは確かに書いた通りになるという保証はありませんが、自身の希望をきちんと伝え、家族が必要になる情報も伝えるということに関しては、作成しておいて損の無いものと言えるでしょう。

エンディングノートに書いておきたいこと

「自由に書けると言われると何から書いていいのか…?」と戸惑ってしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで、最低限書いておいた方が良い物を上げて行きます。

・自分のこと
まずは自分の事から書いてみましょう。名前・生年月日・出身地・どのような人生を歩んできたか? などを冒頭に書いておくことで、誰のエンディングノートかは一目瞭然ですし、何より自身の人生を振り返る良い機会となるでしょう。

・財産に関すること
預金、有価証券、不動産、そして債務がどのくらいあるのか。通帳や印鑑の保管場所、ネット銀行やネット証券会社のリスト、契約しているクレジットカード会社のリスト、万一の際の各社連絡先。これらも書いておくと良いでしょう。特にネット上での取引は家族が発見することが出来ない可能性もありますので、どこのネット金融機関に口座を保有しているかは必ず書くことをおススメいたします。

・定期課金に関すること
スマホやネット回線などの定期課金リストも重要です。遺された家族がスムーズに解約手続きができるように、各社のカスタマーセンター連絡先やどのようなプランで契約しているかもわかる範囲で書いておきましょう。

・デジタルデバイスのパスワード
セキュリティの観点から言うと書き残しておくことは必ずしも推奨できるものではありませんが、遺された家族からすると「大切なデータがあるかもしれない…でもパスワードがわからずログインできない…」と頭を抱えてしまうかもしれません。プライベートで使用しており、自身の個人情報以外が保存されておらず、家族に開示したい情報をデバイス内に保存しているのであれば書き残しても良いでしょう。

・医療、介護について
希望する介護施設や介護方法、持病やアレルギーのこと。延命治療を望まない方はその旨を書いておきましょう。

・葬儀について
葬儀の形態や自身が信仰する宗教について、お墓の希望なども書いておくと家族は助かりますね。

・亡くなったことを知らせたい人
連絡先(電話、住所、メールアドレス)をリスト化して書いておきましょう。

・家族や友人にメッセージ
自身の想いを伝える最後のメッセージです。これまでの感謝や思い出などを伝えましょう。特定の方へ私物を渡したい場合はここで感謝とともに伝えるのもよろしいかと思います。

エンディングノートを書いた後

人により記載内容は異なりますが、重要な個人情報が含まれるものですので保管は厳重にしておくことをおススメいたします。ただし、エンディングノートは見つけてもらわないと意味が無いものでもあるため、信頼できる家族に保管場所を話しておいた方が良いかもしれません。

また、エンディングノートはいつ誰が見ても自由なものでもありますので、生前に配偶者や次世代へあらかじめ見せて内容を含んでおいてもらうという方もいらっしゃるようです。もっとも一度書いたら修正が出来ないものではありませんので、心境や財産状況に変化があった際は何度でも書き直して、その時の自分が伝えたいことを伝えたい人に確実に伝わるようなものへと進化させて行くと良いでしょう。

今回のまとめ

エンディングノートを何歳で書いたら良いのか? という問いに答えはありません。あまり考えたくはありませんが、自分の人生があと何年残っているのかは誰にもわかりません。しかし、人生の終わりは誰にも等しくやってくるものですので、遺された家族へ伝えたい想い、混乱しないための事務手続き手段を伝え、自身の生きてきた軌跡を遺すことが出来れば、家族から感謝されるのではないでしょうか。

私の知人に36歳の方がいますが、その方は毎年お正月にエンディングノートを更新しているそうです。その方曰く「新しい年に家族のことをまず考え、混乱せずに済む手続き方法と感謝を伝えておきたい」そうです。私より20歳近く年下の方ですが、自分に万一のことがあった際をすでに考えているわけですね。

人によって家族に対する感情は様々ですが、おそらく本コラム読者の方は36歳以上の方がほとんどでしょうから、エンディングノートを書き出すのに早すぎるということはないのでしょう。
たまには人生を振り返って書き出してみるというのも新たな気づきが生まれるかもしれません。当コラムが皆様にとってエンディングノート作成の一助となれば幸いでございます。

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

※なお、当ブログは一般的なケースを元に解説しておりますので、個別のご相談・ご回答を希望される場合は下記よりお問い合わせください。

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