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遺言書の種類と自筆証書遺言の方式緩和

こんにちは。

内山公認会計士事務所の内山でございます。

 

今月も相続対策のお役に立つ知識を、専門家としての立場から分かりやすく解説させていただきます。

 

遺言書にも種類があることを皆さんはご存知でしょうか? 一般的な普通方式遺言であれば3種類存在するのですが、その中でも『自筆証書遺言』に関して、先の相続法改正で方式が緩和されました。

 

そこで今回は遺言書の種類と、自筆証書遺言の方式緩和について基本的な部分を解説していきたいと思います。自筆証書遺言は手軽に作成できる分、書き方の間違いも多く見受けられるものです。自筆証書遺言を作成しようとされる方は、せっかく作成した遺言書が無効とならないよう、当コラムを参考にしていただければ幸いです。

目次

遺言書の種類

遺言書の内容にそのまま従うと…

普通方式遺言以外に航空機や船舶の事故など死が迫っている場合や、大規模災害の被災地など普通方式遺言が出来ない場所にいる場合に特別方式遺言という形で遺言を残すことも可能です。
レアケースではありますが、万一死が迫るような状況に追い込まれた際でも、自身の想いを遺すことが出来るという点は覚えておいていただければと思います。

一般的に遺言書を作成する場合普通方式遺言になりますが、冒頭お話したように3種類の書き方が存在します。
それぞれがどのように違うものなのか見て行きましょう。

公正証書遺言

公証役場というところで作成する遺言書です。
遺言者が公証人に口頭で内容を伝え、公証人が作成します。作成の際には証人2名と手数料が必要ですが、遺言者の子どもや未成年者。遺言によって財産を受け取る予定の方等は証人となることが出来ません。信用できる証人を見つけることが難しい場合は公証役場に有料で紹介してもらうことも可能です。

普通方式遺言3種類の中では最も確実性が高く、作成後の原本は公証役場で保管されるため紛失や改ざん、偽造の心配もありません。作成に関してもプロである公証人が作成するため書式や形式のミスも発生することはありません。
また、相続が発生した場合でも家庭裁判所の検認は必要ありませんので、すぐに相続開始できるという点も大きなメリットではないでしょうか。

反対にデメリットとして、思い立った時にすぐ作成できないという点が挙げられます。作成に先立って公証人と原案を打ち合わせする必要があります。公証役場に出向いての打ち合わせが原則ですが、電話や出張での打ち合わせも可能です。いずれの場合でも、「今日これからすぐに行う」ということは出来ませんので、どうしても作成に時間がかかってしまいます。また、証人2名は遺言内容を知ることになるため、誰にも内容を知られたくない方には向いていません。

作成時には相続額によって費用も発生します。人によってとらえ方はそれぞれですが、遺言書にお金をかけたくないという方にはやはり向いていないと言えるでしょう。

秘密証書遺言

公正証書遺言と同じく公証役場で作成しますが内容を秘密にできます。
誰にも内容を知られることなく遺言書を作成し、その存在を証明できるという点は大きなメリットとなりますが、秘密にできる反面、形式上の不備があった場合は無効になってしまう可能性も高く、公証役場での保管も無いため、あまり一般的ではありません。

自筆証書遺言

自筆証書遺言とはその名の通り、自分で書く遺言書となります。先の二つのように公証人に依頼することもありません。思い立った時に自宅で作成することが可能ですので、普通方式遺言3種類の中では最も手軽に作成できるものだと言えるでしょう。

手軽に作成できる反面、紛失・改ざん・偽造のリスクは存在しますし、形式上の不備が理由で無効となる可能性も存在します。さらに、相続発生時には家庭裁判所で検認を受ける必要がありますので、相続開始まで時間がかかってしまうというデメリットも存在します。

自筆証書遺言の方式緩和

手軽に作成できる自筆証書遺言ですが、法改正前は遺言書全文を手書きで書かなければいけない物でした。全文手書きですので、かなりの労力が必要でしたが、今回の改正で財産に関しては目録をパソコンで作成しても良いことになりました。

上記遺言書の例をご覧ください。
あくまで財産の目録のみがパソコンで作成したもの、もしくは通帳のコピー等で対応可能になったということですので、遺言書そのものは全文手書きでなければなりません。勘違いしやすいポイントですので十分ご注意ください。

また、遺言書には作成日付・署名・押印が財産目録には署名・押印がそれぞれ必要になります。目録の署名・押印も忘れやすいポイントですのでご注意いただければと思います。
以下に自筆証書遺言作成時に注意していただきたい点を箇条書きでまとめましたのでご覧ください。

自筆証書遺言の注意点

①財産目録のみがパソコン使用可能。遺言書は手書きする必要があります。
②遺言書には作成日付・署名・押印が財産目録には署名・押印がそれぞれ必要。
③別紙の余白に遺言書を書くことは出来ません。
④コピーをそのまま別紙として使用する場合は「別紙(番号)」と必ず記入
⑤作成した遺言書と別紙は封筒に入れて封印。

以上が作成時の主な注意点となります。
作成した遺言書は自宅で保管する方が多いようですが、改正相続法により法務局での保管も可能となりました。法務局で保管してもらうことの最大のメリットは家庭裁判所の検認が不要になる点と、紛失・改ざん・偽造のリスクが無くなるという2点なので、自筆証書遺言の手軽さに少額の費用で確実性もプラスされたわけです。

ただし、メリットばかりではありませんので自筆証書遺言の法務局保管制度は別の機会に詳しく解説していきたいと思います。

また、法務局保管制度を利用せず、自宅等で保管している場合、相続発生時には前述のように家庭裁判所で検認を受ける必要がある点も注意していただきたいポイントです。

今回のまとめ

まとめ

近年家族の在り方も多様化している中で、遺言書を作成する方は増えてきたように感じます。3種類の作成方法の中で最も手軽に作成できるのが自筆証書遺言となりますが、財産目録をパソコンで作成できるようになったことで、より手軽となり今後ますます作成する方は増えていくことでしょう。さらに、法務局での保管制度もスタートしましたので注目度も高く、弊所へのご相談も増えている印象があります。

ただし、自筆証書遺言の場合はどのような保管方法を選択しても、形式上の不備を指摘してくれる人は存在しませんし、内容の確認まで行ってはくれません。公正証書遺言にも言えることですが、作成前には私たち税理士などの専門家へ相談した上で作成を行っていくことをおススメいたします。

また、大切なポイントとして「遺言書は元気なうちに」というものがあります。認知症などにより判断能力が無くなってしまった後に作成することは出来ません。コロナ禍の現状であれば、直接対面して打ち合わせを行うということも平時より時間のかかる状態です。
遺言書の作成を検討されている方は、切羽詰まってから行動するのではなく、自身の意思を明確に表示でき、判断能力も十分で元気なうちに遺言書の作成を進めていただければと思います。


当ブログが遺言書作成に役立てば幸いです。
今月も最後までお読みいただきありがとうございました。


※なお、当ブログは一般的なケースを元に解説しておりますので、個別のご相談・ご回答を希望される場合は下記よりお問い合わせください。

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