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法人クレカの導入とポイント処理

こんにちは。

内山公認会計士事務所の内山でございます。

 

今月も顧問先様をはじめとしたお客様へ向けて税理士・会計士としての立場から、専門的な知識・情報をわかりやすく解説していきたいと思います。

 

前回・前々回とコロナ関連の話題を解説してまいりましたが、今回は少し趣向を変え「経費の支払い方」に着目し、『法人クレカの導入とポイント処理』と題して法人・個人事業主が経費を支払う際に利用するクレジットカードと、支払金額に応じて付与されるポイントの処理について解説させていただきます。

 

おそらく、多くの経営者がクレジットカードを利用されていることとは思いますが、ポイントの処理まで気を配っている方は少ないのではないでしょうか? 少しマニアックな内容となりますが是非ご覧ください。

目次

事業用クレジットカードは必須⁉

キャッシュレス・ポイント還元事業は本年の6月30日をもって終了しましたが、今回の事業が契機となり日本もキャッシュレス化の波が加速していくのでしょうか。
個人利用のキャッシュレスはともかくとして、法人や個人事業主の決済においてクレジットカードの利用は珍しいことではなくなってきたように感じます。

中でも、小規模法人や個人事業主の方であれば「小口現金」という科目をほとんど使うことなく日々の経理をシステム化している方も多くいらっしゃいます。
私の知人に一人法人を経営されている方がいらっしゃるのですが、年間の「小口現金」は収入印紙を購入する時と、現金でしか支払えないコインパーキングを利用した時くらいしか使わないという方もいらっしゃいます。

この方は極端な例かもしれませんが、一部の郵便局でもクレジットカードで切手やレターパックを購入できるようになり、法人税の納税もクレジットカードで出来るようになった現代において、事業経費の支払い方法から「現金」の出番はますます減少していくことになるでしょう。もっとも、営んでいる事業の性質によって「現金」の登場頻度は変わることになるのですが、「経費支払い」を積極的にクレジットカードで行っていくことで、日々の経理はより簡単になっていくことになりますので、導入されていない方は是非事業用のクレジットカードを導入されることをおススメいたします。

クレカポイントの経理処理

事業用クレジットカードの導入を考える際に重視すべきことは何でしょう?
・年会費
・利用限度額
・ポイント付与率
等、人によって重視する項目に違いがあると思いますが、中でも「ポイント付与率」を重視する方は多いのではないでしょうか。
「法人クレカ 比較」と検索していただくと、様々な比較サイトでカード会社ごとのメリット・デメリットを知ることが出来ますので、ご興味のある方は一度検索してみると良いでしょう。

そんな重視したい「ポイント」ですが、よく考えてみると「売上」とは言えませんが、会社の「収入」が増えたことになるのではないでしょうか。

例えば還元率1%のカードを利用して年間で200万円の支払いを行ったとします。
すると、200万円×1%=20,000ポイント(20,000円分)が付与されますので、20,000円の「収入」が会社にもたらされたことになります。

ですので、厳密に言えば法人カードのポイントは「雑収入」ということになるのですが、何かを購入してポイントが付与されるたびに雑収入を計上する必要は2020年11月の現時点ではありません。これはクレジットカードのポイントに関する取り扱いについて国税庁から通達が出ていないという事実があるからなのですが、今後ポイントに関する取り扱いの通達が出される可能性は十分に考えられます。とりあえず現時点ではポイント付与時に処理をしなくても大丈夫と覚えておいてください。

しかし、ポイントを利用して会社の消耗品等を購入した場合次のような経理処理が必要になります。

ポイントを使用した場合の経理処理の例

二つの例を挙げて解説していきます。
(※消費税は考慮しないものとしています)

例1)10,000円の事務用品を全額ポイントで購入した
消耗品費10,000円/雑収入10,000円

全額ポイントを使って購入していますので、会社の「現金」に動きはありませんが、帳簿上上記のような処理を行います。あくまで会計上ポイントは雑収入ということになりますので、「0円で買った物だから何の処理もしなくていい」は厳密に言うと誤りです。例え少額の物であったとしても、きちんとした仕訳を行っておくことをおススメします。特に多額のポイントを一気に使用する場合は気を付けていただきところです。

続いて購入資金の一部にポイントを使用した例を見て行きましょう。

例2)10,000円の事務用品を5,000円分だけポイントを使用し残りは現金で購入した
消耗品費5,000円/現金5,000円
または
消耗品費10,000円/現金  5,000円
         雑収入 5,000円

ポイントを値引きと見るか雑収入と見るかで上記のように仕訳は異なってきますが、いずれの場合でも法人税や利益に影響を与えることはありません。

法人カードのポイントを個人的な買い物に使う

「会社の物と個人の物は別」
おそらく、起業した当初に聞いたことのある方もいらっしゃる言葉でしょう。
クレジットカードのポイントも同様ですので、法人カードのポイントを経営者が個人的な買い物等に使うことは出来ません。

もし、個人的な買い物や旅行等(マイルも含む)に使った場合どうなってしまうのでしょう? 

法人はポイントを「雑収入」として受け取っています。それを経営者(役員)個人に使用させたわけですから、「役員賞与」として処理されます。
役員賞与は損金とはなりませんのでポイント分は法人税の課税対象となります。

一方、ポイントを個人的に利用した経営者は役員賞与として受け取っているわけですから、「所得税」の課税対象となります。

さらに、役員賞与として支払われたポイント分に「社会保険料」も発生する可能性があります。

法人・個人どちらにとっても全くメリットの無い行為ですので、「会社と個人は別」という認識をクレジットカードのポイントにも向けて頂ければと思います。

今回のまとめ

まとめ

おそらくほとんどの方が「細かい話だったな」と思ったかもしれません。
しかし、法人税もクレジットカードで納税できる時代です。
ということは、企業規模にもよりますがそれだけ多額のポイントが付与される可能性もあるということにもなります。

「会社のカードでマイルを貯めて海外旅行へ」などといったことはコロナ禍の現状難しい所ではありますが、コロナ前にはよく聞く話でもありました。
会社のカードで貯めたポイントの一番有意義な使い方は福利厚生にあると個人的には考えます。備品や消耗品の購入費用に充てることももちろん可能ですが、出来るのであれば日頃働いてもらっている従業員のために使ってみるというのはいかがでしょうか? ささやかなことではありますが、従業員満足度の向上にもつながりますし、組織としての結束も深くなることでしょう。

事業用のクレジットカードを正しく使い、スムーズな経理処理の実現とポイントという副産物としての利益。
これら二つを賢く手に入れて頂き、事業に役立てていただければ幸いです。


今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

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